a piece of tomorrowことのは詩集「おかえりなさい。」のお手紙 >2004年01月
メルマガ案内

詩集「おかえりなさい。」のお手紙
携帯詩集「しあわせ風船」

リンク
掲示板

お願い

作者(綾大鈴)について
メールについて

おかえりなさい。



終わりを終わって
初めを始める
どれも昨日と同じで
だけどすべてが初めてのこと

少し背筋を伸ばしただけで
突然それは輝きだす
どれもいつもと同じで
だけどすべてが新しいこと

いつもどれも同じに見えて
だけど全部新しいこと

♪1233通目のお手紙
*2004/01/01


おかえりなさい。



雪の夢をみて
春の日差しを懐い

月の夢をみて
あの人を憶い

花の夢をみて
あの日を想う

今日の夢を抱きしめて
明日は何を思うのか

♪1234通目のお手紙
*2004/01/02


おかえりなさい。



その切符に書いてあるのは
出発した駅の名前

行き先なんて書いてはいない
心の中決めているけれど

目的地は変えてもいいよ
もっと遠くまで行ってもいい

降りる駅など決まっていない
切符はそれを決めはしない

足りなければ足せばいい
切符はそれを咎めはしない

♪1235通目のお手紙
*2004/01/03


おかえりなさい。



太陽の光を求めていない
月の明かりを望んでいない

暗闇の中でこそそれは
じんわりと輝きだす

少しずつ変わってく
光の中では見えないけれど

今はまだ小さすぎて
かたちには見えないけれど

♪1236通目のお手紙
*2004/01/04


おかえりなさい。



どこまでも似ているけれど
だけどそれは本物じゃない
鏡の中の世界は
全部反対に進んでる

どこまでも同じだけれど
だけど全然同じじゃない
鏡の中のそれには
絶対に触れられない

触れた姿は見られるけれど
絶対に触れられない

♪1237通目のお手紙
*2004/01/05


おかえりなさい。



なくなった水は
どこに行ったのでしょう
花のない花瓶の水が
どんどん消えてなくなっていく

花はどこにあるのでしょう
花はなくとも水は減る

消えてしまった水は
乾いた空気に吸い上げられて
そして花を育てる雨を
降らせる雲となるでしょう

♪1238通目のお手紙
*2004/01/06


おかえりなさい。



この道とその道は
交わることなどありえない
ただ同じ方向に
隣り合って進むだけ

まっすぐに進む
二本の道が交わったなら
後はそのまま
離れて行くことになる

この道とその道は
交わることを選ばない
ただ同じ方向に
隣り合って進むだけ

♪1239通目のお手紙
*2004/01/07


おかえりなさい。



言わないことに決めたから
心の中でくるりくるり
風にまかせ時に逆らい
舞い続けている言葉がひとつ

伝えることに決めたから
瞳の中でくるりくるり
水面に浮かぶ木の葉のように
踊り続ける言葉がひとつ

手の中で今も温めているのは
どんな言葉の卵だろう

♪1240通目のお手紙
*2004/01/08


おかえりなさい。



準備ならとっくにできている
昨日のうちに終わってる
明日のお出かけの準備
後は出発すればいいだけ

明日の鞄の中に
足りない物がひとつある
準備を早くしすぎると
今日を入れることが出来ない

♪1241通目のお手紙
*2004/01/09


おかえりなさい。



どんな色でも塗れたのは
真っ白な紙と信じていたから

青い紙ならば青い紙の
似合う色を選んだでしょう

どんな絵でも描けたのは
大きな紙と思っていたから

小さな紙なら小さな紙の
ちょうどの絵を考えたでしょう

どんなことでもできるのは
大きな世界を感じているから

ちっぽけな身体いっぱいに
大きな世界を感じているから

♪1242通目のお手紙
*2004/01/10


おかえりなさい。



どうして立っていられるのだろう
どうやって歩いているのだろう

呼吸を忘れてしまった瞬間
呼吸をしていたことに気づく

まばたきをする時
見つめていたことに気づく

今何をしているのだろう
今何を思っているのだろう

♪1243通目のお手紙
*2004/01/11


おかえりなさい。



何度も何度も繰り返し
かくれんぼをした場所
いつもの隠れ場所には
今はもう入ることすらできない

だけどそこを覗いてみて
今もまだ何かが隠れてる
見つけて欲しくて見つかりたくて
今もまだ何かが隠れてる

隠したことも忘れたけれど
今ならきっと見つかるはず

♪1244通目のお手紙
*2004/01/12


おかえりなさい。



同じ椅子に座って
同じ窓から外を見る

それでも同じ景色が
いつも見えるわけではなくて

同じ時間にそこに座って
同じ方向を見つめてる

それでも同じ色の空が
そこから見えるわけではなくて

それでも同じ人と
出会えるわけではけしてなくて

♪1245通目のお手紙
*2004/01/13


おかえりなさい。



小さすぎる箱では
硝子の瓶を護れない
箱に入れることもできずに
ずっと手で持つことになる

大きすぎる箱では
硝子の瓶を護れない
箱の中ころころ転がって
何度も何度も割れそうになる

ちょうどすぎる箱でも
硝子の瓶を護れない
ぶつけてしまわないように
箱ごと護ることになる

箱の中に綿を詰めても
それでも心配でたまらない
硝子の瓶を護るのは
いつだってこの手なのでしょう

♪1246通目のお手紙
*2004/01/14


おかえりなさい。



天井に星空を描いても
青空模様のカーテンにしても
雪空の写真を飾っても
雨音をラジオで聞いたとしても

何をしても物足りない
そこには匂いも風もない
寒さも暑さも温もりも痛さも
そこには今の現実しかない

♪1247通目のお手紙
*2004/01/15


おかえりなさい。



透明な手袋はめているんだ
触れられるけれど触れられない

手を握ることはできるけれど
体温も伝わるけれど

何だってできるけれど
だけどできないことがある

透明な手袋はめているんだ
触れているけれど触れていない

手袋のことを忘れているだけ
嘘じゃないけれど真実でもない

♪1248通目のお手紙
*2004/01/16


おかえりなさい。



気づかないふりもできたのに
やっぱり選んだひとつです

迷って迷って迷って迷って
そうして選んだひとつです

何も選ばないこともできたのに
だけど選んだひとつなのです

捨てることもできたのに
だけどここにあるひとつなのです

今もここにあるそれだけで
きっと大切なものなのです

♪1249通目のお手紙
*2004/01/17


おかえりなさい。



沢山の人がいる
順番をずっと待っている
だけど今目の前にいるのは
たった一人だけ

沢山のことが残ってる
やらなきゃいけないことだらけ
だけど今瞳を見つめているのは
君たった一人だけ

♪1250通目のお手紙
*2004/01/18


おかえりなさい。



色も感情も空間も
まっすぐにえがいた一本の線も
何も変わらない
けれどすべてが変わる

名前も場所も時間も
意味も記憶も風の匂いも
全部変わってしまう
だけど何も変わらない

一歩進んだら
一日過ぎたら
何もかも変わってしまう
だけど何も変わらない

♪1251通目のお手紙
*2004/01/19


おかえりなさい。



いつか巻いたゼンマイの力が
まだ少し残っていたのでしょう
突然鳴りだしたオルゴールは
時を超えてしまっただけ

いつ巻いたのか忘れたけれど
いつが最後かわからぬけれど
突然流れたメロディーも
この手が巻いたゼンマイのせい

突然鳴りだしたオルゴールも
いつか巻いたゼンマイのせい

♪1252通目のお手紙
*2004/01/20


おかえりなさい。



一言を言えと言われたら
言えなくなってしまう
いくつもの言葉の中ならば
平気で言えてしまうのに

その一言だけ言えと言われたら
言えなくなってしまう
言いたいのはひとつだけなのに
次々と言葉が溢れ出す

今はしっかりと握手をしよう
指きりの約束はできないけれど

♪1253通目のお手紙
*2004/01/21


おかえりなさい。



形と色を得たしずくが
風と戯れ舞い落ちる

降り積もるのは
あの日透明だったもの

留まることを許されず
惑い続けた透明なもの

流れることを許されず
太陽を待つ白い迷い子

♪1254通目のお手紙
*2004/01/22


おかえりなさい。



晴れのち曇り
ところにより雪か雨

盛りだくさんの天気予報は
どれも正解なのだけれど

今の天気なら空を見上げれば良い
雨ならば傘を持てば良い

知りたいのはこれからのこと
ここがどれに当てはまるのか

♪1255通目のお手紙
*2004/01/23


おかえりなさい。



長い紐ばかり
求めているわけじゃない
結べば長く繋がっていく
束ねれば強くだってなる

だけど短すぎると
結ぶこともできない
少しくらいの長さじゃ
結び目ばかりで進まない

長い紐ばかり
求めているわけじゃない
長すぎると絡まりやすくなる
細すぎると弱くなる

だけど太すぎると
結びあわせることもできない
強く硬い紐では
結び合わせることができない

♪1256通目のお手紙
*2004/01/24


おかえりなさい。



内緒と言われたら言いたくなる
秘密と言われたら自慢したくなる
言わないと決めた言葉が
口から飛び出しそうになる

普通のことならいつものことなら
伝えるとこも忘れるのに
言わなきゃと決めた言葉は
頭の中いつも迷子になる

♪1257通目のお手紙
*2004/01/25


おかえりなさい。



言いそびれたおやすみは
夢の中で言いましょうか

聞きそびれたおやすみは
瞼の裏で聞きましょうか

眠ってしまってから気づいた
足りないものはきっとそれ

おやすみなさい
おやすみなさい

何度言っても
飽きない言葉

おやすみなさい
おやすみなさい

何度聞いても
幸せな言葉

♪1258通目のお手紙
*2004/01/26


おかえりなさい。



終わりでもなく
続きでもなく
始まりでもなく
偽物でもなく

突然でもなく
必然でもなく
偶然でもなく
奇跡でもなく

今が今であるということ
今日が今日であるということ

♪1259通目のお手紙
*2004/01/27


おかえりなさい。



何を見ようか
決めてはいない
決めたら他が
見えなくなる

何を見ようか
決めてはいない
何があるか
わからないなら

何を見ようか
決めてはいない
いろんなものが
見られるように

いろんなものが
そこにあるから
どれを見ようか
決めてはいない

だけど決める前に
見つめてる
それが何かも
まだ知らないけれど

♪1260通目のお手紙
*2004/01/28


おかえりなさい。



最後のひとつが何個もあって
最初のひとつもいくつもある

最後は何度もやって来て
そして最初がまたやってくる

終わりの数だけ始まるんじゃない
始まりはいくつでも増やしていける

だけど始まらないことには
終わりはいつまでもやってこない

♪1261通目のお手紙
*2004/01/29


おかえりなさい。



届いた手紙の封筒は
小さな花の絵があって
とても綺麗でかわいいから
開けるのがもったいなくて

裏側に書いた差出人の
その名前が愛しくて
楽しみで仕方がなくて
開けるのが少し怖くて

だけど開かないことには
届いたその意味がない
本当に欲しいのは
封筒じゃない

♪1262通目のお手紙
*2004/01/30


おかえりなさい。



夢の中で夢をみる
夢をみながら夢を語る

その夢の何層目かに
また現実が隠れてる

夢の中で夢をみる
夢をみながら夢を知る

現実の片隅に
また夢が潜んでる

♪1263通目のお手紙
*2004/01/31


 12月ページの先頭に戻る02月

2000年
2001年
2002年
2003年

2004年
 01月
 02月
 03月
 04月
 05月
 06月
 07月
 08月
 09月
 10月
 11月
 12月

2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年

1454997
today: 0292 , yesterday: 0306
更新情報 /ほんわかの素 /TOMORROW/明日の欠片 綾大鈴