a piece of tomorrowことのは詩集「おかえりなさい。」のお手紙 >2005年01月
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詩集「おかえりなさい。」のお手紙
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おかえりなさい。



今までと同じ
筆を使って
今までと同じ
紙の上

新しい色は
今までと同じ
絵の具の中に
隠れてる

♪1599通目のお手紙
*2005/01/01


おかえりなさい。



ばらばらに舞ってきたけど
ひとつひとつ降ってきたけど
一度融けて水となれば
ひとつのかたまりになれるはず

一度崩れて水となれば
ひとつのものになれるはず

♪1600通目のお手紙
*2005/01/02


おかえりなさい。



ゼンマイ仕掛けの人形ならば
もう一度巻けばいい
電池が切れてしまったならば
新しい電池に替えればいい

だけどこれは普通の電池じゃ
どうにもならないものだから
正しい電池をみつけるために
探しにでかけないといけない

電池が切れてしまう前に
探しにでかけないといけない

♪1601通目のお手紙
*2005/01/03


おかえりなさい。



誰からのお手紙
どの人からのお手紙

気になるのは内容よりも
まずは誰からのお手紙か

あの人からのお手紙
あの方からの

気になるのは中身よりも
まずは差出人の方

待っているのは誰からのお手紙
求めているのはどの人の名前

びっくりしたり微笑んだり
まずはお名前拝見します

♪1602通目のお手紙
*2005/01/04


おかえりなさい。



ここよりは少し暖かい部屋で
これよりは少し温かいお茶を

少しだけ少しだけ
欲張らないから
求めないから

今よりは少しまっすぐに
今よりは少し微笑んで

少しずつ少しずつ
突然じゃないけど
いっぱいじゃないけど

少しずつ少しずつ
走らないけど
すごくはないけど

♪1603通目のお手紙
*2005/01/05


おかえりなさい。



笑ったらこぼれる
泣いたら流れ出る
しゃべったらあふれ出す
黙っていてもにじみ出る

出ていくものばかりならば
からっぽになってしまう
いっぱい食べないと
お腹も心もいっぱいになるまで

♪1604通目のお手紙
*2005/01/06


おかえりなさい。



読めなくても大丈夫
全部まるごと覚えているから

覚えていなくても大丈夫
調べ方を知っているから

辞書がなくても大丈夫
知っている人を知っているから

教えてください知っていることを
教えてあげるよ知っていることなら

♪1605通目のお手紙
*2005/01/07


おかえりなさい。



なぞなぞばかり続いたから
次もなぞなぞだと思ってしまう

素直なことばかり言っていたから
なぞなぞがひねくれて感じてしまう

最初からなぞなぞと言っていたら
まっすぐに考えられなくなる

なぞなぞみたいなふりをしたなら
恥ずかしいことも言えてしまう

♪1606通目のお手紙
*2005/01/08


おかえりなさい。



青空の下だから
少し明るく見えたのでしょう

夕焼けの中だから
少し赤らんで見えたのでしょう

電灯の下だから
影も出来て見えたのでしょう

暗闇の中だから
よく見ることができないのでしょう

ならばいつどの光の中なら
本当の姿があると言うの

いつのどの光の中でも
本当の姿はそこにある

♪1607通目のお手紙
*2005/01/09


おかえりなさい。



駆け出す前に
立ち止まって
そして呼吸を整える

飛び出す前に
部屋に戻って
そして手袋を探す

進むために
急ぐために
一度止まって時を探す

時間がないから
間違えるわけにはいかないから
一度止まって地図を見る

♪1608通目のお手紙
*2005/01/10


おかえりなさい。



いつもの時間に散歩する犬と
いつもの電車で帰る人が
いつもの場所ですれ違う
そんないつもの街の風景

いつもの車が右折する頃
いつもの小学生が歩道を走る
いつものように日は暮れるけど
だけど毎日変わってく

いつもとぴったり同じじゃないけど
だけどとても似ている今日

♪1609通目のお手紙
*2005/01/11


おかえりなさい。



待っている
待っている
何を待っている
そんなところで

待っている
待っている
だけど
立ち止まりもせずに

待っている
待っている
時間でもなく
誰でもなく

待っている
待っている
そこにたどり着く
自分のこと

♪1610通目のお手紙
*2005/01/12


おかえりなさい。



ビーズを入れておく箱を
ビーズで飾り付けていく
飾り終えたとき箱の中身は
まだ残っているのでしょうか

ビーズを入れておく箱を
ビーズで飾り付けていく
からっぽになった箱を見て
淋しいと思うのでしょうか

からっぽになるまで使い尽くして
哀しいと思うのでしょうか

♪1611通目のお手紙
*2005/01/13


おかえりなさい。



この手はとても冷たいけれど
とても冷えてしまったけれど
君の手よりはまだ温かい
だから温めてあげましょう

この手はとても冷たいけれど
とても冷えてしまったけれど
雪よりはまだ温かい
だから温めてあげましょう

その手はとても冷たいけれど
とても冷えてしまったけれど
風よりはまだ温かい
だからまだ手をつないでいましょう

♪1612通目のお手紙
*2005/01/14


おかえりなさい。



それは偽物
本物じゃない
本物と言えば
都合が悪い

それは偽物
本物じゃない
僕のものじゃないから
本物じゃない

そうそれは
偽物でしょう
偽物と言った
その言葉が

それはきっと
偽物でしょう
あなたの中の
真実の中では

♪1613通目のお手紙
*2005/01/15


おかえりなさい。



出口を探して
さまよっている
入り口から差す
光を頼りに

出口を探して
さまよっている
入り口ならば
知っているけど

外には入り口と
書いてあった
だけど中には出口と
書いてあるはず

光は眩しすぎて
風は強すぎて
ちゃんと見ることは
できないけれど

簡単すぎて
あたりまえすぎて
他の出口を
求めるけれど

♪1614通目のお手紙
*2005/01/16


おかえりなさい。



あげるわけにはいかない
だけど貸してあげるよ

あげたって本当はかまわないけど
だけどこれは貸してあげる

言えないけど言わないけど
次また会う約束の代わりに

♪1615通目のお手紙
*2005/01/17


おかえりなさい。



少ししかないから
探したくなる

なかなかないから
見つけたくなる

届きそうだから
触れたくなる

いつもあるから
大切になる

あたりまえだから
愛しくなる

♪1616通目のお手紙
*2005/01/18


おかえりなさい。



ぴったりすぎて
きっちりすぎて
箱からすぐに
取り出せない

ぴっちりすぎて
きゅうきゅうすぎて
箱からすぐに
取り出せない

ちょうどすぎて
うまくいかない
同じ大きさじゃ
意味がない

♪1617通目のお手紙
*2005/01/19


おかえりなさい。



小さなものならば
またげばいい

大きなものならば
上を歩いて行けばいい

細かいものだから困ってしまう
積もってからじゃ遅すぎる

またぎきることも乗ることもできずに
足を奪われてしまうから

踏んでしまったことも知らずに
吸い込まれてしまうから

♪1618通目のお手紙
*2005/01/20


おかえりなさい。



薄い薄い紙だから
裏側からも見えてしまう
表からと変わらぬ濃さで
まるでこちらが表かのように

文字ならば知っているから
簡単にわかってしまう
裏返しになっていても
反対側から書いてあっても

少しくらいのことでは
ちゃんと読めてしまうでしょう
少しくらいのことでは
邪魔にすらならないでしょう

表側から見たところで
意味が変わるわけじゃないけど
想像でも予想でもなく
ちゃんと表から読みたいのです

♪1619通目のお手紙
*2005/01/21


おかえりなさい。



穴のあいた手袋だから
余計に風を感じてしまう

小さな小さな穴だから
余計に冷たく感じてしまう

手袋をはめていなければ
全部で風を感じるのに

穴のあいた手袋だから
余計に風を感じてしまう

♪1620通目のお手紙
*2005/01/22


おかえりなさい。



美味しいいれ方なら
調べれば書いてあるでしょう
正しい方法ならば
誰かが教えてくれるでしょう

だけどその方法は
今日のあなたを知らないでしょう
どんな濃さのどんな味を
あなたが好んでいるのかなんて

昨日と同じ葉を使って
昨日と同じ方法で
だけど昨日と同じように
美味しくはいれられない

昨日と同じ一日ではない
昨日と同じあなたじゃない
今日のあなたは昨日の紅茶を
美味しいとは思うとは限らない

昨日と同じ紅茶を
美味しいと思うあなたはいない

今日はどんな紅茶にしますか?
ミルクをお持ちしましょうか?

♪1621通目のお手紙
*2005/01/23


おかえりなさい。



一文字の間違いくらい
読みながら直してくれるよ
一文字の間違いくらい
わからない相手じゃない

言いそうなことくらい
わかってくれている人だから
そうやって慣れないペンで
手紙を書いているのでしょう

一文字の間違いくらい
読みながら直してくれるよ
一文字違うだけで
違う意味にならないのなら

一文字違うだけで
違う言葉にならないのなら

♪1622通目のお手紙
*2005/01/24


おかえりなさい。



上手に笑えるように
今ここで泣いておこう
上手に泣けない間は
きっとちゃんと笑えないから

こぼれた涙を手で受け止めて
いっぱいになるまでは泣いてもいいよ
こぼすそばから涙はすぐに
乾いて消えてしまうから

上手に笑えるように
今ここで泣いておこう
上手に笑えた時
きっとまた涙がこぼれるから

上手に笑えたことが
嬉しくて涙がこぼれるから

♪1623通目のお手紙
*2005/01/25


おかえりなさい。



まだ言っていない言葉なのに
返事が先にやってきた

まだ伝えてもいないことなのに
答えが先にやってきた

まだ自分でもわからない思いに
名前が先についていた

まだ誰も知らないことなのに
大昔から誰もが求めてた

まだないもののはずなのに
つづきはもうはじまっている

まだわからないものだけど
つづきはもうはじまっている

♪1624通目のお手紙
*2005/01/26


おかえりなさい。



隠してないよ
隠してないよ
なんにも隠してなんかないよ

握ったこの手を開いても
なんにも出て来たりなんかしない

隠してないよ
隠してない
からっぽなことすら
隠してないよ

♪1625通目のお手紙
*2005/01/27


おかえりなさい。



隙間があると
音がする

いっぱいだと
音が鳴らない

足りないと
音がする

からっぽだと
音は鳴らない

音が鳴らない
音が鳴らない

いっぱいなのか
からっぽなのか

♪1626通目のお手紙
*2005/01/28


おかえりなさい。



特別な出来事の
それはすべてつづきの出来事

特別な出来事を
それはただくりかえしただけ

あたりまえという特別
特別という日常

♪1627通目のお手紙
*2005/01/29


おかえりなさい。



小さくしたら持って歩ける
だけど小さすぎるとなくしてしまう

大きくしたらなくさずにすむ
だけど大きすぎると持ち歩けない

少しずつ分けて持っていよう
少しずつこの手にはいるくらいずつ

向こうに着いたら全部集めて
またひとつにあわせればいい

みんなで少しずつ持って行って
向こうでひとつにあわせればいい

♪1628通目のお手紙
*2005/01/30


おかえりなさい。



求めていることにも気づかず
待っていることにも気づかず
手に入れたときにやっと
求めていたことに気づく

手に入れられなければずっと
求めていたことすら知らぬまま
手に入れられなければきっと
待っていたことすらわからないまま

求めているつもりになって
待っているつもりになって
手に入れたときにようやく
どうでもいいことに気づく

手に入れられなければずっと
求めつづけて走りつづけて
手に入れられなければきっと
待ちつづけて待ちぼうけ

♪1629通目のお手紙
*2005/01/31


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