a piece of tomorrowことのは詩集「おかえりなさい。」のお手紙 >2008年01月
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詩集「おかえりなさい。」のお手紙
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おかえりなさい。



昨日のつづき
何かのつづき
いつもと同じなのに
最初の一歩の気がしてる

見るものすべて
触れるものすべてが
はじめての気がしてる

ふりだしに戻ったわけでもないのに
すべてが新しい
今スタートしたばかり
だから何だってできる

きっと何だってできる

♪2704通目のお手紙
*2008/01/01


おかえりなさい。



大きいからその中に
包まれて過ごしていられる

小さいからいつも鞄の中に
ポケットに入れていられる

かたちがないからいつだって
心の中で想っていられる

いつだって一緒にいられる
ずっと一緒にいることができる

♪2705通目のお手紙
*2008/01/02


おかえりなさい。



帽子のかたちをしているけれど
ひっくりかえしたら船になったよ

谷のかたちをしているけれど
ひっくりかえしたら山になったよ

坂道は長く苦しいけれど
登りきると綺麗な海が見えたよ

細く険しい道だけれど
抜けると大きな空があったよ

風は冷たくて痛いけれど
いつか花の香りがするよ

いつか花の香りがするよ

♪2706通目のお手紙
*2008/01/03


おかえりなさい。



窓のかたちの空の中
白い鳥が飛んで行く
慌てて飛び出したとしても
もうそこに姿はない

空がある
空はある
そこにいつも
どんな姿でも

本当はどんなかたちなのか
どれが本当の姿なのか
何も知らなくてもわからなくても
いつもそこに空はある

♪2707通目のお手紙
*2008/01/04


おかえりなさい。



いっぱいになって
からっぽになる
へっていないのに
からっぽになる

からっぽになりすぎて
いっぱいになる
ふえていないのに
いっぱいになる

ずっとからっぽではいられない
いっぱいをつづけてもいられない
からっぽになっていっぱいになる
いっぱいになればからっぽになる

♪2708通目のお手紙
*2008/01/05


おかえりなさい。



声がする声がする
呼ぶ声がするどこからか
前からなのか後ろからなのか
それすらもわからないけれど

上からなのか下からなのか
中からなのかもわからないけれど

♪2709通目のお手紙
*2008/01/06


おかえりなさい。



探してたことに気づいた
それを目にした瞬間に

求めていたことを知った
手に入れた瞬間に

望んでいたものとわかった
指先が触れた途端に

すべてがこの瞬間のため
呼吸も鼓動も
今ここにいることも

すべてがこの瞬間のため
ここからはじまるすべてのため

♪2710通目のお手紙
*2008/01/07


おかえりなさい。



みつけた葉っぱを拾っては
手帳にそっと挿んでく
忘れた途端に簡単に
風の中に戻ってく

みつけた花びら拾っては
手帳にそっと挿んでく
挿んだそばから軽やかに
風の中に紛れてく

淋しいけれど追わないよ
追わないけれど淋しいよ

♪2711通目のお手紙
*2008/01/08


おかえりなさい。



まんまるにしたくて
ころころころころころがしている

まだまんまるじゃないから
じょうずにころがってくれない

まんまるにしたくて
ころころころころころがしている

ぽっこりとびでたこぶひとつ
おすとへこんでくぼんでしまう
ひくとちぎれてくぼんでしまう

♪2712通目のお手紙
*2008/01/09


おかえりなさい。



食べてしまえば離れずにすむ
食べてしまえば失わずにすむ
壊れて朽ちて消える前に
食べてしまえば哀しまずにすむ

誰かに食べてしまわれる前に
食べてしまえばずっと一緒

♪2713通目のお手紙
*2008/01/10


おかえりなさい。



今はいつも新しい
いつも新しく新しい
昔からずっと新しい
未来もずっと新しい

古い今はどこにもない
いつも新しい今にいる
今も新しい今にいる

♪2714通目のお手紙
*2008/01/11


おかえりなさい。



ほとんどあればかまわない
全部なくても大丈夫
丸飲みすることができないなら
かじった分だけ飲み込めばいい

だいたいあればそれでいい
全部の方がきっといいけど
残りに手をのばした瞬間
持っていたものを落としてしまう

予感が当たらなくてもかまわない
予想と違っても大丈夫
今を信じているならば
自分を信じているならば

♪2715通目のお手紙
*2008/01/12


おかえりなさい。



手袋ひとつであたたかい
指先までずっとあたたかい
触れても握ってもほんの少しも
あたたかくはないものなのに

手にはめるからあたたかい
この手があるからあたたかい

♪2716通目のお手紙
*2008/01/13


おかえりなさい。



からっぽのところにだけ
現れるものがある
誰もみつけることはできない
気づくことは難しい

からっぽのところにだけ
現れることができる
現れた瞬間に
そこはからっぽではなくなる

現れたことで
そこはからっぽではなくなる

♪2717通目のお手紙
*2008/01/14


おかえりなさい。



ここから駅まで
歩いて十分
電車でひとつ隣の駅へ

降りたら十分
歩いて十分
その店に辿り着く

その本に載っている通りなら
その道順で間違いはない
その本の中で言うならば
それが正しい道順のはず

その店はこの場所から
歩いて五分のところにある

♪2718通目のお手紙
*2008/01/15


おかえりなさい。



信じようとしたんだよ
信じたくて頑張ってみた
信じたくて信じたくて
だからとても困ってる

なんとなくわかってる
だけどちゃんとはわかっていない
それは僕には信じられない
まだ信じることはできない

疑っているわけじゃないけれど
まだ信じるわけにはいかない

♪2719通目のお手紙
*2008/01/16


おかえりなさい。



笑うことができなくて
笑う方法を探してる

笑いたくて笑いたくて
笑い方を思い出そうとしてる

上手に笑うことができたなら
きっと嬉しくて笑ってしまう

嬉しすぎて勝手に笑ってしまう

♪2720通目のお手紙
*2008/01/17


おかえりなさい。



一歩がどうしても踏み出せなくて
だけど平気な十五歩目

三十七歩目笑って進む
それでも困った最後の一歩

呼吸整え最後の一歩

♪2721通目のお手紙
*2008/01/18


おかえりなさい。



ちょうどじゃないけどぴったりで
良くはないけど悪くはない
買うほどじゃないけど気になって
気になって気になって仕方がない

欲しいと言えばあげるよ
欲しいと言えばすぐにあげる

♪2722通目のお手紙
*2008/01/19


おかえりなさい。



夢の話のように思ってた
未来の時間を今生きている

そして懐かしいその時を
夢のことのように感じてる

いつも夢をみている
いつも夢の中にいる

♪2723通目のお手紙
*2008/01/20


おかえりなさい。



小さな箱の蓋にひとつ
小さな小さな穴をみつけた

近づいたらやっと見えるほどの
小さな小さな穴をみつけた

もっと近づくとその向こうに
小さな小さな街が見えた

小さな小さな人が行き交う
小さな小さな街が見えた

小さな小さな穴の向こう
小さな小さな街がある

小さな小さな箱の中
小さな小さな街がある

小さな子供が駆け寄って来て
目の前に大きな瞳が見えた

向こうから見ればこちらがきっと
小さな箱の中の街

♪2724通目のお手紙
*2008/01/21


おかえりなさい。



昨日あったことでもなければ
現実の話でもない
それは今朝起きる直前に
みていた夢の中の出来事

明日あることでもなければ
何かが変わるわけでもない
それは僕にもきみにとっても
どうだっていいお話

だけど少し楽しくて
笑い合うための出来事

♪2725通目のお手紙
*2008/01/22


おかえりなさい。



全部と思っていたものが
本当は半分でしかなくて
探しても探しても
残りの半分はみつからない

足りないと思っていたものが
本当はとっくに足りていて
少しずつ少しずつ
あふれだして消えていく

とっくに通り越している
望むものも望まないものも
残りの半分は簡単に
あふれだして消えていく

♪2726通目のお手紙
*2008/01/23


おかえりなさい。



振ると困る
揺らすと困る
動かされると困ってしまう

だけど逆さにするならば
それはそれでかまわないよ

ちょうど逆さにするならば
それはそれでかまわない

振らずに揺らさずに動かさずに
綺麗に逆さにできるなら

♪2727通目のお手紙
*2008/01/24


おかえりなさい。



小さなつぶやきも聴き取るよ
うさぎの耳ならここにある

いつでも大歓迎するよ
いぬのしっぽで見せてあげる

ライオンのたてがみも馬の脚も
カナリアの声も持っている

見かけはただの人間だけど
猫の瞳も羊の毛も
何だって持っているんだよ

♪2728通目のお手紙
*2008/01/25


おかえりなさい。



横を見ても前を見ても
振り向いてもどこにもいない
見上げても空しかないし
下を見ても大地しかない

一緒にいる気がしてるのに
どこを見ても姿はない
ちょうど同じ場所にいる
同じ場所に立っている

♪2729通目のお手紙
*2008/01/26


おかえりなさい。



おやつで
おもちゃで
おふとんで

おうちで
ごはんで
おくすりで

たいようで
うみで
ことりのこえで

みどりで
はなで
すずのおと

それはそれ以外の何でもない
だけどたとえるならそんなところ

♪2730通目のお手紙
*2008/01/27


おかえりなさい。



いつもの街の
いつもの朝
誰かが今日も
旅に出る

いつもの空の
いつもの小鳥
誰かが今日も
夢をみる

♪2731通目のお手紙
*2008/01/28


おかえりなさい。



まだまだあるよ
お鍋にいっぱい
じゃがいもごろごろ
クリームシチュー

この前よりずっと
大きなお鍋
どんな大きなお皿でも
何度でもいっぱいにしてあげる

どんなぺこぺこなお腹でも
何度でもいっぱいにしてあげる

♪2732通目のお手紙
*2008/01/29


おかえりなさい。



入口の前まで行くと
とっくに列ができていて
数えきれないほどの人が
綺麗にちゃんと並んでる

どこまで続いているのか
いつから列ができたのか
並びたければこの列の
一番うしろをみつけること

入るために並んでる
並ぶために歩いてく
行きたい方向と逆の方向
だけどたしかに進んでる

♪2733通目のお手紙
*2008/01/30


おかえりなさい。



三歩行ったら行き過ぎで
二歩だとまだ少し見えない
一歩がちょうどその大きさと
誰も決めてはいないのに

三歩目がいつもの半分でも
二歩目が大きめでもかまわない
何歩でちょうどその場所か
言うのが少し難しいだけ

背伸びをしたら見えなくもないよ
ここからだと少し見えない
君がどんな背の高さか
わからないと教えられない

一緒に行けばすぐにわかるよ
ここまで来たら教えてあげる

♪2734通目のお手紙
*2008/01/31


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