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2003/01/01
■687

真夜中の空耳は
君からの電話の音
どうせならばその声が
聴こえればよかったのに

どこまでもどこまでも
追いかけるほどに遠ざかる
どうせならばその背中が
見えなくなればいいのに

綺麗に全部消えてしまえば
あきらめることもできるのに




2003/01/02
■688

眠りにおちる瞬間
消えてしまいそうになる
繋ぎ止めているのは
細い細い糸の集まり

何よりも弱く
何よりも強い
細い細い糸の集まり




2003/01/03
■689

雪とともに降り注ぐ
封じ込めたはずの記憶

時を超えてよみがえる
鮮やかな色とともに

太陽が昇り水となったら
ちゃんと心に戻してあげよう

今度こそきっと




2003/01/04
■690

雨の色
雪のぬくもり
風のかたち
水の固さ

知っている何もかもを
君に教えてあげる

忘れてしまう前に
消えてしまう前に




2003/01/05
■691

お気に入りのカップ
とびきりの紅茶
湯気の中に小さな幻
香りの中に確かな記憶
響くのは秒針の音
オレンジ色に浮かぶ部屋

もう少しで戻れる
きっと戻れる




2003/01/06
■692

真っ白な便箋
いつかもらった青色のペン
ゆっくりと書いた文字は
少しだけ大人びて

封をした瞬間
出すのをためらう私がいる
このまま出さずにいた方が
苦しむことわかっているけど

ポストの前で深呼吸
最初で最後の君への手紙




2003/01/07
■693

呼吸のできないほどの
吹雪の中
たたずむ人がいる

空が瞼をおろす頃には
いつも必ずそこにいて

闇夜には
街灯のわずかな光に
その輪郭だけが浮かぶ

太陽の下で見えなくても
他の誰にも見えなくても
幻じゃない

きっとあれは
いつか置き去りにした
私の心




2003/01/08
■694

ゼンマイ仕掛けのお人形
コトコトコトコト歩いてる
綺麗なドレスに髪飾り
コトコトコトコト歩いてる

お望みならばいつだって
こうして歩いてみせましょう
言われた通りにいつだって
こうして歩いてみせましょう

望んでも自分では
動くことはできないけれど




2003/01/09
■695

前髪を少しだけ切った午後
遠回りした道で見つけた
公園の日溜まりの中
春の日を想う

現実に連れ戻すのは
いつも北風
君の匂いのしない風




2003/01/10
■696

頬を落ちた涙ならば
数えることも容易いけれど
見えない涙はどうやって
数えればいいですか

見せないように見えないように
隠し続けた涙の行方を
今から全部教えるには
どうすればいいですか

次々ととめどなく零れ落ちた
ひとつひとつに名があるはずもなく
忘れてしまうことの方が
きっと楽に違いなくて

数えてしまえば煌めきとともに
苦しみもまた蘇るでしょう
それでも消してしまいたくなくて
無くしてしまいたくなくて

見せないように見えないように
隠し続けた涙のわけを
思い出せるように想えるように
名をつけてあげましょう

愛おしむように宝物のように
全部数えてあげましょう
そして硝子の瓶に入れて
窓辺に置いてあげましょう

通りを行く人からも見えるように
窓辺に置いてあげましょう




2003/01/11
■697

時が経つほどに
増え続ける星々

最初からそこにあったのに
見えなかったのは
明るい太陽に慣れ過ぎた
この目とこの心のせい

ひとつまたひとつと
増える度に歓声をあげた
君と僕の見ている星の数は
同じであるはずがないというのに




2003/01/12
■698

真っ白な壁に
ポストカード一枚

真夏の海の写真は
いつの間にか色褪せて
風に揺れては
また戻る

裏側に書いた文字
そっと隠して




2003/01/13
■699

背中合わせの人形は
何を話しているのだろう
自分では向きを変えられない
本当は顔を見たいのに

背中合わせの人形は
何を見ているのだろう
自分では少しも動けない
本当は外に行きたいのに




2003/01/14
■700

ここまで平気で歩いて来たのに
突然ひどく怖くなる

違いはどれも一歩分
だけどどこかに必ず存在してる
そのたった一歩の違いで
戻れなくなる境界線




2003/01/15
■701

雪がすべてを覆い隠す
融けてなくなるまでの間
真っ白になることを
許される時

今日は何も考えない
今日は何も考えない




2003/01/16
■702

桜を青空を紅葉を
その瞳に映して
色に憧れた水が
ようやく色を得る季節

他の何の力も借りずに
ただ水だけで色を得る
真っ白に真っ白に
ただ時を待ち続けて




2003/01/17
■703

淋しさに気づいて
こぼした涙
朝になって残ったものは
とっくに流行を過ぎた風邪

心が弱くなった
ほんの小さな隙をついて
あの日君がひいていた
そのまま同じ熱の風邪

もう少しだけ
あと少しだけ
優しくしてあげればよかった




2003/01/18
■704

花の名の中に閉じ込めた
記憶が今よみがえる
やがて散る頃にはすべて
また忘れてしまうけれど

幸せだからつらい
触れてはいけないもの
けれどいつか朽ちて
なくなってしまう前に

花の季節に生まれれば
目立ちもしない小さな花も
雪の季節にあるからは
真っ赤に燃えてみせましょう




2003/01/19
■705

暗闇を落ちて来る雪を
ずっと見上げていたいのに
求めても求めても
どこにもいない

望まぬときには
降りしきり
望んだときには
姿を見せぬ
凍てつく大地の
偽りの花

それさえ
この手に届かない




2003/01/20
■706

無くしたのは
たったひとつ
それはパズルの
一部分

なんてことはない
痛みなんて感じない
けれど
それがないと戻れない

戻れない
戻れない
ならば新しい絵を
描くだけ




2003/01/21
■707

手の届かないはずの
空からやってくる
雨が強く美しいのは
たしかなかたちと音があるから

雨が優しく鋭いのは
たしかな記憶と夢があるから




2003/01/22
■708

とれたボタン
そのままで

途切れた記憶
そのままで

何もかもずっと
このままで

いつまでもいつまでも
変わることなく

どこまでもどこまでも
真実のまま




2003/01/23
■709

気が付いたら時計の針
とっくにその時を過ぎていて
慌ててその場所へ向う
そんな夢を何度も見る

もう誰もいないのに
もうそこには何もないのに
想いだけが今も毎日
ずっと通い続けてる

間に合わない間に合わない
駆ける足は空回りする
本当は遅れたことなど
たった一度もなかったのに

後悔の渦に巻き込まれて
苦しくて手をのばしても
握ってくれる手は存在しない
そんな夢をまたくり返す




2003/01/24
■710

窓際に棚を置こう
一段目にはお気に入りの本
二段目にはアクセサリー
三段目にはグラスを置いて
その中には色とりどりの硝子玉
光を浴びて部屋中に
いろんな物語を映し出す
今はどの色の中にいる
今はどの夢の中にいる




2003/01/25
■711

今この手のひらの上に
何もないように見えるでしょう
今この肩の隣に
誰もいないように見えるでしょう

目に見える物ばかり信じてた
あの頃の私が嘲笑う
こんなにもたくさんの物を
手にしているというのに

この心の中には
あの頃知りもしなかった
鮮やかな色とかたちを
手に入れているというのに




2003/01/26
■712

巻き戻した時間の長さを忘れて
切り取った記憶のかたちを忘れて
そうして戻れなくなった迷い子を
誰かどうか探して下さい

人込みの中消えてなくなったなら
いったい何人が気づいてくれる
そうして震える迷い子に
誰かどうか気づいて下さい




2003/01/27
■713

向かいあってばかりなら
歩けばいつか遠ざかる

喧嘩してばかりなら
歩くほどに遠ざかる

ずっと同じ方向目指して
隣をそっと歩いていたい




2003/01/28
■714

その時は意味もわからずに
ただ聞き流していたというのに
何度も何度よみがえる
心の中残る言葉

もう一度声が聞きたくて
その笑顔を感じたくて
知りもしない電話番号
抱きしめて夢を見る




2003/01/29
■715

物語の外からならば
最初から何度でもくり返せる

だけど中にいる人はいつだって
たった一度の時を生きる

くり返すことのできるのは
ただ後悔と追憶ばかり




2003/01/30
■716

時計に支配された部屋
時に見放された夢
涙はいつの間にか
理由すら忘れて

何を想っていたの
誰が話してくれた言葉
わざと前ばかり見ようとしてたから
もう後ろさえわからない




2003/01/31
■717

夢の中と気づきながら
夢の中を生きる

もうすぐ朝がやってくる
それは別れの時
目覚めてしまえば
もう二度と戻れない

白い雪を手のひらで受け止めながら
心の中確信してる
世界が変わってしまっても
これだけはそこにある

ずっと覚えていられるように
写真に撮って残しておこう
太陽が昇って時が流れて
水になってしまう前に







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